2024年11月4日月曜日

#19 「フードバンク活動」eワーク愛媛“えひめフードバンク愛顔”

 「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、その活動や想いを伺っていきます。

今回お話を伺ったのは、特定非営利活動法人eワーク愛媛の難波江 任さんです。


特定非営利活動法人eワーク愛媛

私たちは、フードバンク活動と若者の自立支援活動をメインにやっています。もともと引きこもりの方やニートの方の自立支援をやっていましたが、今では、フードバンク活動がもう1つの柱になってきています。
その活動と並行して『アフターケア』という、社会的養護の自立援助ホームや児童養護施設から自立しようとする人たちを支援する活動も始まっています。


食品ロス ~ 食べることができるけれども、捨てられているもの~

先日、『農水省』が発表していた数字で、2030年までにSDGsで、世界の食品ロスを半減しましょうという目標があります。その中で、日本は980万トンを半減して490万トンにしましょうという目標を立てていました。その結果は、472万トンで達成されていますが、472万トンもの食品ロスが国内で出ているということです。食べることができるけれども、捨てられているものです。

令和2年に愛媛県が推計しているのが5.1万トンの食品ロスが出ています。それを減らしていきましょうという「愛媛県食品ロス推進計画」を立てて取り組んでいます。私たちのフードバンクの活動もその一条になると思います。


主なフードバンクの活動

フードバンクは、食品流通の中で流通できなくなった食料を食品関連の事業者さんからいただいて、それを社会的な事業で活用するという事業です。生産者さんも含まれる食品流通で、農家さんだと野菜などもそうです。選果場などで出るもの、お菓子やレトルト食品を作っている工場、それを売る小売店など、いろいろなところで食品ロスは出ています。

そういうところから、未利用食料をいただいてきて社会的事業として、こども食堂や社会的養護事業者、自立援助ホームや児童養護施設などに使われています。

あと、留学生やシングルマザーの方で、コロナ以降に生活が苦しくなった方もいますので、そういう方たちのために使わせていただいています。



CO2の発生量は食品由来の発生が多い

今の国内のCO2の発生量は、食品由来の発生が多いと言われていて、食品を加工や運送など、いろんなところでCO2が出ていると思います。ご飯を炊くことやカレーを作るにも火を使うからCO2が出ます。荷物を運ぶにもガソリンを使いますからCO2は出ます。いろんなところでCO2を排出しながら、食べるものを加工したり、運んだりしています。食べなかったものや捨てられたものは、生ゴミになってしまいます。その生ごみを処理するとなると、焼却処分したり、動物の飼料にしたり、家畜の飼料にしたり、また肥料にしてリサイクルする場合もありますが、その時にもやっぱり熱を使いますから、結局CO2が出てしまうということになります。



特定非営利活動法人eワーク愛媛ホームページ

2024年10月28日月曜日

#18 「子どもたちのアイデアで生まれる、世界にひとつの紙」 社会福祉法人エリム会

 「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、その活動や想いを伺っていきます。

今回は、社会福祉法人エリム会 えりむ児童クラブ園長の桑波田みか先生とさくらんぼクラブの皆さんです。

 

捨ててしまうもので紙作り

保育園で牛乳パックがたくさん出るので、その牛乳パックを使って、紙を作ります。
牛乳パックをお鍋に入るぐらいの大きさにして少し煮ると水を吸い込み、表と裏にあるプラスチックの層を剝ぐことができます。子どもたちがうまく剥いで紙だけにしたものをミキサーに入れます。そして子どもたちが思いつく色や匂いのものなど、何を入れたいかは、子どもたちのアイデアをそのまま使って色々な紙を作っています。

最初は給食室から出た人参の皮でやってみたらとっても綺麗なオレンジ色になりました。園庭にあるナツメヤシの幹の皮では茶色の紙ができました。子どもたちがトマトで作りたいって言ったらトマト。スイカで作りたいって言ったらスイカ。紫の紙が作りたいからナスを入れたらどうだろうって、子どもが言ったからナスの皮を入れて作ったりもしました。

私たちが紙を作る係ですが、他の先生たちも工作を一緒にしてくれて、バラの花を作ったり色々と工作をしていて、それがもう本当に素敵なんです。

いらないと思うものでも大事にすれば、とても素敵なものになるということを感じてもらいたいなと思っています。

 


 

さくらんぼクラブの皆さんの声

◆和紙作りネームタグを作るのはどんなところが楽しい?

・素敵な色を作るのが楽しい。

・ナスとかスイカの皮とかいらないゴミで作っている。

・赤じそは最初はミキサーにかけてみたけど、塩で揉んだり、煮たりしても赤くなった。




◆いま作っているもの

・いろんな要らないものをミキサーに入れて紙を作ってる。

・紙から名札とかネームプレートとか作った。

・ネームプレートがめちゃめちゃ人気になったから、それを作って欲しいとか、紙が欲しいとかいろんな場所から情報が来る。

 

◆普段の生活で見方が変わったところ

・最初は作るのが楽しいじゃなくて普通にやっていたけど、
 今はみんなでできるし実験も楽しいから今は楽しくなってる。

・毎月、京都とか大阪から依頼がたくさん来るので、丁寧に作って、それを受け取ってくれた人が喜んでくれたら、それでまた楽しいなって思う。

 

◆これから作ってみたいもの・いま頑張って作っているもの

・ネームプレートをみんなのために頑張って作っている。

・クリスマスマーケットから売って欲しいものがあるから、それを考えてみんなが作りたいものを作っていきたいなって思う。

・クリスマスマーケットに出すものだったら、緑色の紙でクリスマスツリーを作る。

・今は赤じそでピンク色の紙を作れるようになった。青色を作ろうと思ったら緑色になったから、今度は青色になるように頑張ります。

・いろいろな色でバッグとかを作ってみたいです。



 

社会福祉法人エリム会のHP

https://sakura-erimu.com/

2024年10月21日月曜日

#17 「子どもたちの「やってみよう!」が未来を変える」 社会福祉法人エリム会

「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、
その活動や想いを伺っていきます。

 今回お話を伺ったのは、社会福祉法人エリム会理事長の池内悟さんです。

 

えりむ児童クラブさくらんぼの活動

私たちは児童福祉施設ということで、子どもたちがSDGsに興味を持ち、関心を寄せられるような心を育んでいく取り組みをメインとしています。

ゴミをリサイクルあるいはアップサイクルし、商品に付加価値をつけて、
それを自分たちあるいは地域の皆さんに還元できるような取り組みを
子どもたちと一緒に活動していくということが非常に大切だと感じています。子どもたちの様々な考えや思いつきを大切にしながら「失敗してもいいよ」「とりあえずやってみようよ」という関わりをしています。



始まりは、海のゴミ拾いから

児童クラブの近くには海があり、すぐ横にプールもあります。
夏休みに児童クラブの小学生とそこへ出向いた帰り道、

「先生、ゴミを拾って帰ろう!」という声が子どもたちから上がりました。

そのあと、持ち帰ったゴミを分類していく中で、
まずは、プラスチックゴミについて勉強をして、子どもたちのリサイクルあるいはアップサイクル活動、そこからゴミの問題を考えていこうというのが活動の始まりでした。

 

排出されるゴミで、何かできないかな?

児童クラブや保育園からたくさん排出されるプラスチックゴミやペットボトルを使って、
船を作ってみたいということで、子どもたちが夏休みの間に1ヶ月ぐらいかけていかだのような船を作りました。
その船は、みんなで実際に保育園のプールで浮かべさせました。


ネームタグの製作

子どもたちのアイデアが主体になっているネームタグの素材は、牛乳パックと保育園の園庭で収穫したお野菜あるいは果物の皮や食べ残しなど、今までは捨てていたものなどを混ぜて和紙作りをしています。いろいろな失敗もたくさんありますが、子どもたちと一緒に「これいいね」「これはもうちょっとこうだね」と話をしながら活動しています。

昨年、愛媛大学の先生からこれで名札作ったら面白いよね!と言っていただき、200枚近いネームタグ作らせていただきました。それが県外のたくさんの先生方のお目にかかったようで、今年も受注をいただきました。学会等で使っていただけたことは、とても有難く、何よりも子どもたちがすごく自信を持ったことが、今の活動に繋がっていることは嬉しいです。

 


 

活動を始めての子どもたちの変化

何事に対しても最初から諦めるのではなく、「これは、どうなのだろう?」「こうすればどうなるのかな?」などの「考えてみる」「やってみる」ということが「非認知的能力」という、子どもたちの心を育てていくことに結びついているのかもしれないと非常に嬉しく感じています。

 

守っていきたいもの

今の日本は本当に豊かです。この比較的安全な国をみんなの幸せのためにとにかく将来永続的に未来を築くために守っていきたいと思っています。そのためには、自分の心を豊かに育てていくということが大切だと感じています。それは命を大切にするということにも繋がると思います。私たち日本人にとって本当に宝となる子どもたちですから、何事も諦めずに、くじけずに、しんどくなったら大人が助けてくれるよ。というそのような日本にしていけたらいいなと考えています。

 


社会福祉法人エリム会HP

https://sakura-erimu.com/

2024年10月14日月曜日

#16 「捨てるものから価値を見出す」 愛媛大学教育学部アップサイクル活動

「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、
その活動や想いを伺っていきます。


先週に続いて、愛媛大学教育学部アップサイクル活動に携わっている大学生サポーター、今回はイシカワ リノンさんです。

 大学の先生に誘われて、昨年から活動のお手伝いをしています。SDGsという問題に対して、自分にも何かできることないかな?という想いと、教育学部なので、子どもたちに関わる活動がしたいという想いからサポート活動をしています。

子どもたちと活動していて、大変なこともありますが、とても楽しく活動しています。
SDGsの活動をする中で、子どもたちが本来捨てられるものから新しいものを作るので、ごみとして捨てるものの中からでも価値を見出せるということが新たな発見でした。

 

実際に活動をしている小学生の声

アップサイクル活動を始めて23年目のフジサキさん(5年生)、オオモリさん兄弟(46年生)です。
自由研究で海のごみについて調べた時に、僕たちが捨てたごみを海の生き物たちが食べて、悪い影響をもたらしていることを知ってとても驚いたので、弟を誘ってこの活動に参加しました。いろいろな人と関われて、とても楽しく活動しています。そして、いつも捨てているお菓子のごみもいろいろなものに変わって、すごいなと思います。

 



いま作っているもの

ブイチップというもので、筆箱やバッグ、ブレスレットを作っています。ブイチップとは、お菓子のパッケージや冷凍食品のパッケージのアルミが付いたものを切って、折ってVの形のパーツを作って、それを組み合わせて商品を作ります。
ブイチップで作ったシルバーの筆箱は、とても時間がかかって大変でした。
ブレスレットは簡単な方だったけど、ゴムやひもをつけるのが難しかったです。

 



活動を始めて見方が変わったところ

今までは、ごみだと思っていた、お弁当箱のフタを使って、色を付けて細かく切って、電子レンジで温めて、柔らかい状態のまま丸めて、プラバンボールを作っています。プラバンボールは、大きさや形を変えて、アクセサリーにできます。赤のイメージしたいときは、赤に似た色を3色一緒に混ぜて作るように色の工夫をして作っています。

このように、お菓子のごみは、捨てていたけど、今は他のものに活用できると知って、家でも作ってみたいです。

 


 

アップサイクル活動に参加してよかったこと

これからは、ごみを減らすために何ができるかを考えることが必要だと思っています。自分の中でごみの見方が変わったことと、知識が増えてよかったです。最初はあまり乗り気ではなかったけど、やってみてよかったと思います。

3年間やっていて、ごみってこんな風に活用できるということを知ったので、もっとみんなが欲しいなと思う商品を作りたいと思います。

ごみがどのように変わっていくのかが分かって、すごく嬉しいです。

 



2024年10月7日月曜日

#15 「アップサイクル活動」 愛媛大学教育学部アップサイクル活動


「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、
その活動や想いを伺っていきます。

 

今回お話を伺ったのは、愛媛大学教育学部アップサイクル活動に携わっている愛媛大学教育学部研究補助員の森田裕子さんと澤田洋子さんです。


愛媛大学教育学部アップサイクル活動

小中学生が大学に来て、大学生や教職員と一緒に要らないものに価値をつけて、新しいものに作り替えるという活動を去年の7月から取り組んでいます。
捨てられるお弁当のフタをみんなで回収し、そこからプラバンを作って、キーホルダーに生まれ変わらせました。身の回りにあるお弁当のフタからプラバンができるというのは、小学生にとっては新しい発見だったと思います。

また、お菓子の袋を切って、折って、組み合わせることで、筆箱やポーチも作っています。見た目では、お菓子の袋だとは気づかないほど、価値のある商品に生まれ変わることができます。

12月に愛媛大学の「ひめテラス」で開催されるクリスマスマーケットでは、ポーチやブローチなど、アップサイクルした商品を販売する予定です。普段だったら捨てられるものですが、それも工夫すれば商品になるということをみなさんにも知ってもらえたら嬉しいです。

 


 

活動に関わって感じたこと

普段気が付かないようなことの中から、学生が新しい発見をたくさんしているので、周りの大人も勉強になります。プラスチックのお弁当のフタでブレスレットやイヤリングなど、いろいろなものをつくることができます。学生は発想が豊かで、いろんなものを作ってくれるので、とても楽しみです。

 



 

アップサイクル活動を通して意識が変わったところ

お菓子の袋やお弁当の容器を、昔だったら何も気にせず捨てていたと思うのですが、

これを活用して、「何を作ることができるかな?」と、新しく商品に生まれ変わらせることを考えるようになりました。

 

これからの想い

商品を作っていく中で、お客さんのことを考えて、「お客さんが欲しい商品は何か?」を考えてより良い商品にしていきたいです。ここだけではなく、もっともっと、世間に広めて、私たちの活動を日本中、世界中の人々に知ってもらって、「自分たちにでもできることがある」ということを知ってもらいたいです。

そして、たくさんの人にSDGsの活動に携わってもらえたら嬉しいです。