2024年8月26日月曜日

#09 「自然と人の本来の関係性を求めていく」 藤江直子さん

 

「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、
その活動や想いを伺っていきます。

今回お話を伺ったのは、NPO法人由良野の森 理事の藤江直子さんです。

 

NPO法人由良野の森」について

愛媛県久万高原町にあるNPO法人由良野の森。豊かな里山環境での生活体験や学習プログラム、文化交流授業を通じて、自然と人とのつながりを深める活動を行っています。

その体験を通じて、自然と人とが互いに影響し合いながら変化していくという関係性を再認識することによって、常に幸せを感じられる、より良い持続可能な社会づくりに寄与することを目的としています。

最近では、日常生活の中で、自然に触れる機会が少ないと思うので、自然と人の共生していることを感じにくい時代になったと思います。


 

具体的な活動

子どもたちが自然体験できるような授業をさせてもらったり、子どもたちの居場所作りということで不登校の子どもたちを受け入れたりしています。

もっと、みなさんに自然を感じてもらいたい想いから、由良野の森で取れる食材でイタリアンのシェフに料理してもらって、みんなで森の恵みをいただく会を開いています。

他には企業向けのレクリエーションに使ってもらったり、いろいろな人が由良野の森に来て自然体験をできる活動を中心にしてきました。

今年からはNPO法人として「ブナの森づくりプロジェクト」「由良野の森のおさんぽとおはなし会」この2つを中心に活動しています。

 


由良野の森に関わるようになった経緯

由良野の森に関わるようになったのは、あるリーダーシップ研修がきっかけでした。「もっと自然に触れてみたら?」という講師の言葉に導かれ、地元愛媛で自然に触れる場所を探していたところ、由良野の森に出会いました。

普段会社員をしていたら出会うことのない、個性豊かな人々が集まる場所でした。毎週行くと面白い人が集まっていて、想像を超える活動に魅了されました。

 



 

伝えていきたい想い

いまは理事として活動していますが、当時は、由良野の森を知っている人も来てくれる人も少ない状況でした。多くの方に由良野の森の魅力を知っていただき、共に活動したいと考えています。由良野の森を、多くの人にとって身近な場所にしていきたいです。




NPO法人由良野の森の活動内容はこちら

2024年8月19日月曜日

#08 「食料と衣服の課題から考える持続可能な社会」 竹下浩子さん


「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、その活動や想いを伺っていきます。

先週に続いて、愛媛大学 教育学部准教授(家庭科教育)竹下浩子さんです。


最近気づいたこと、心がけていること

先日、アイルランドを訪れた時に、その盛んな農業風景に感銘を受けました。
その時、思ったのが「日本は大丈夫かな?」ということです。というのも、日本の食料自給率は約38%と低い現状です。
日本には広大な土地や農地が存在するにもかかわらず、農業従事者が減少しているという課題があります。近年頻発する海外での紛争、地球環境の変化、異常気象などの影響を受け、食料輸入が途絶えてしまったら、私たちは生きていけるのかな?と感じました。
さらに、学会で出会った世界各国の研究者たちが牧場経営に携わっていることを知り、日本の食料問題への危機感が更に高まりました。こうした現状を認識することは非常に大切です。
衣服に関しても、日本は98.5%輸入に頼っています。大量に輸入される衣服の半分は一度も着用されることなく捨てられている現実もあります。私たち一人一人が「無駄」を自覚し、消費行動を見直すこともが求められています。安価な服が溢れていて、なぜこんなに安いのか?環境問題に直結していることも多くあると感じます。




若い学生世代に伝えたいこと、託したいこと

私たちは、日々の生活の中で多くの「当たり前」に囲まれています。しかし、立ち止まって考えてみると、その「当たり前」の裏側には、様々な問題や課題が潜んでいることが少なくありません。
世界には、私たちとは全く異なる文化や価値観を持つ人々が暮らしています。多様な社会に触れることで、視野を広げ、新たな視点を得ることで、気づき、知るということが大事だと思っています。我慢して無理に何かをするのではなく、楽しさを見つけながら気づいていって欲しいです。
今の若い皆さんは、想像力が豊かで行動力があり、様々な可能性を秘めています。私たち大人世代にとっても、学ぶべきところがたくさんあります。若い人たちが明るい将来を送っていけるような未来を自分たちで作っていってくれることを願っています。





竹下浩子さんの活動についてはこちら


2024年8月12日月曜日

#07 「環境問題と快適な住環境」 竹下浩子さん

「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、
その活動や想いを伺っていきます。

今回お話を伺ったのは、愛媛大学 教育学部准教授(家庭科教育)竹下浩子さんです。


自然と共存するキャンパスづくり

愛媛大学教育学部で家庭科を教えている傍ら、愛媛大学SDGs推進室の副室長を務めています。愛媛大学SDGs推進室では、大学全体で自然と人と生物が共存できるようなキャンパスづくりに取り組んでいます。具体的には、電気代の高騰対策として、大学として努力できることを調査・実行しています。学生たちは未来を担う存在として、自分事として考え、行動しています。




学生のSDGs意識

現代の学生は、個人の問題だけでなく、社会全体の問題としてSDGsを捉えています。未来を担う世代として、環境問題への意識が高く、「私たちが未来を作っていく!」という強い責任感を持っています。


環境意識の高いドイツでの経験

私は大学院時代に建築家を志しており、住居文化と人と住まいの関係について研究していました。特に、家の中の温熱環境、夏の冷房や冬の暖房の使い方など、人間と環境が快適に共存できる住まいについて研究していました。

研究していく中で環境問題に関心を持ち、環境教育を学ぶために6年間ドイツへ留学しました。そこで、環境意識の高い人の方が、住まいの快適さや健康を得られやすいことが分かりました。日本とドイツは、時間の感覚や真面目さなど、多くの共通点があります。しかし、住まいへの意識には大きな違いがありました。
日本人の場合は、食が一番で、食衣住の順番で考えます。しかし、ドイツの人は、住まいが一番で、快適な住環境のために時間やお金、努力を惜しみません。
引越し先で、床やシンクがないことも珍しくなく、すべて自分のスタイルしたい思いが強いことに驚きました。




竹下浩子さんの活動についてはこちら



2024年8月5日月曜日

#6「環境問題に関心を持つ暮らし」 山中三沙貴さん


「コスモ アースコンシャスアクト 未来へのトビラ」

 地元愛媛で豊かな自然環境を守ろうと環境保全活動に取り組んでいらっしゃる方々に、その活動や想いを伺っていきます。

先週に引き続き、愛媛県地球温暖化防止活動推進センター担当、ワークショップデザイナーの山中三沙貴さんです。


心がけていること

山中さんも環境保全活動に取り組んでいますが、完璧な環境負荷ゼロの生活は難しいと感じています。だからこそ、まずは「環境に負荷をかけながら暮らしている」ということに気づくことが大切だと思います。

無意識に過ごしていると見落としがちなことも多いものです。例えば、買い物をする際には、「いま旬のものは何かな?」「このマークは何かな?」と意識することで、季節のものを選ぶことができたり、環境に配慮した製品を選ぶことができます。

完璧を目指すのではなく、「日々の生活の中で、自分にできることを少しずつ探していく」ことが大切だと思います。




なぜ?を持つと、見える世界が変わる

年中スーパーに並ぶ果物。その旬はいつ?どこから来たのか?
こういった疑問を持つことで、様々なことに気付けるようになると思います。値段の安さの裏には大量生産、値段の高騰には生産量減少や天候の影響など、様々な背景が見えてきます。さらに、気候変動や環境問題について学ぶことは、自分自身の人生や未来を考えるきっかけにもなります。これらの授業は「これからのライフスタイルやキャリアに繋がっていく講座」にもなるかもしれません。


これからの世代に伝えたいこと

未来の世代に「気づくきっかけ」と「知るきっかけ」を持ってもらいたいと思っています。
「やる」「やらない」は自分自身で選択することです。当たり前に過ごしていると気づけないことや、選択できないことがたくさんあります。しかし、知ることで選択肢が広がり、後悔のない選択ができるようになると思います。

未来の世代が自分自身のために、環境や暮らしに関心を持って暮らしてもらえたら嬉しいです。






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